Plastic Model Gallery / メッサーシュミットbf109 G-14

エーリッヒ・ハルトマン機

ハセガワ 1/48

ハセガワのBf109 G−14エーリッヒ・ハルトマン機が再現できるキットです。 以前同じキットを素で製作したのですが、もう1つキットがあったので以前手をつけられなかった箇所をメインに リベンジする意味で製作してみます。
と言ってもなかなかいい資料が見当たらず、本やWebなどでの考証を検討して自分なりにやってみました。


コクピット後部に出っ張りを追加

キットに無い1番目の改修ポイントはMW−50加速装置用タンク搭載のため、元々ここにあった無線機が上にもちあがったためにできた出っ張りを再現してやることです。 G−14の型番を調べると、実質はBf109G−6/U3の量産型からの派生・・・つまり加速ブースターが搭載されているので、この出っ張りが無いことにはG−14とは・・・・外見上見分けのつかないG−6に近いG−14は、流石に当時の整備工ですら判らなかったようです。

あとはこの水+エタノール加速ブースター用の計器が照準機横の時計の位置にあったようですが、計器板はよくわかりません&仕上がったところで見えもしないので?(笑)今回はパスです

ハッチの蓋を伸ばしランナーとプラ板でつくり、その上に加工の楽なレジンパーツの余りをゴリゴリと削ってつくった出っ張りを接着しています。シートベルトはエアウエーブのものを初めて使ってみたのですが、最近よく使うエデュアルドの色付きエッチングシートベルトに比べて、んんん?という感じでした。またこの出っ張りはもう少しスマートでもよかったかも。
まあ、模型ですかららしいところは誇張してやれば・・・w


修正前 ⇒ 修正後

次の改修点は、垂直尾翼です。 ハルトマン登乗のG−14はG−14のうち背高の垂直尾翼で、上キット写真のような2つの固定タブは存在しないもののようです。キットの箱絵が大正解(^^)
なのでこのタブはサクサク削りとってやります。

同じくハルトマンが乗ったG−14のうち7枚の花弁の機首チューリップ『白の1』の機体の垂直尾翼は、この白いG−14のタイプと異なりG−6と同じタイプの低いもので当然2つの固定タブなんてありません。こちらのタイプのハルトマン機を製作する場合は、迷うことなくG−6のキットにパワーブースター用の出っ張りをつけて製作したほうが完璧です。

さらにアンテナ線の垂直尾翼側の取り付け位置ですが、この白いG−14ハルトマン機は上の箱絵の位置で正解。『白の1』のG−14ハルトマン機はG−6と同様に尾翼上の突起からアンテナ線が出ているタイプになります。



こちらは箱絵                    こちらはG−10のキット



修正前 ⇒ 修正後


次の改修点は、機首左側オイル注油口の位置が、G−10やK−4などと同じく、高い位置にあります。 (『白の1』のG−14はG−6と同じ位置) 上の箱絵はG−6と同じ位置なので間違い(><)、写真右はG−10のキットを写したものでエアインテークよりも少し高い位置にちゃんとあります。写真左はG−14として出ているキットのもので下すぎです。 ここも一度瞬間接着剤などで埋めて、少し高い位置に彫りなおしてやらなければなりません。

あとは外観上の改修(?)点で、おそらく!というポイントを絞ってみると

●キット箱絵同様に、モラーネアンテナは装備なし、上部のDFループアンテナは基部を残してなし。東部戦線では管制網の整備がなかったのでこれらのアンテナは装備してもしゃーないです。

●G−6とG−14の違いを整備口ですら見分けることが困難で、識別を容易にするためG−14の主脚ホイールを赤く塗っていたものもあったようです。ここは模型的な要素も加味して、このG−14もホイールを赤くしてみることにします。実際にはG−6に外観(尾翼周り)が似ている初期のG−14でそんな例があったようで、おそらく本機が活躍するころには燃料種類の間違いなどもなくなり赤くするような事もなかったと思います。

●東部戦線の荒地ゆえ、ホイールとホイールカバーの間の泥のつまりを避けるため、多くの機体が主脚カバー下部をはずしていたようです。このG−14もはずしたもので製作してみることにします。脚のカバーは少し台形気味の単純な形をしているので、プラ板切って完了!

●東部戦線は戦闘空域が狭いために増槽ラックを装備する機体がほとんどなかったそうです。グラマラスなG−6〜の機首周りを強調するには増槽は模型的に見栄えしますが・・・せっかく色々やってみる機会ですのでこのあたりはつけない方向で

●も一つ大事なこと!キットに付属しているデカールもインストも先端のブラックチューリップの黒は単色になっていますが、実際には白いふちが存在しています(ハルトマンG−14初期のものと同じように)。
最近の考証では、キットのように8枚の花弁ではなく9枚の花弁だった・・・とのものがあります。
実機の写真があれば、その位置がわかるのですがどうしてもみつけることができず・・・

たしかに、他の機体でのチューリップは奇数枚の花弁(5枚、7枚など)ですね
どのような配置なのかもわからないので、今回はキットの花弁をトレースして8枚としました
(FUJIMIから発売されていたG-14ハルトマンのキットは9枚の花弁マーキングがありました)


この写真では、花弁のどうたるかはわかりません・・・高い洋書でも買えば、いい写真がでているのかな?
白ふちはどうしてもやっておく必要があったので、機首チューリップは塗装してみました
(大きさや花弁の枚数は、長谷川インスト&デカールをトレースしています)

あと、この写真からプロペラの付け根にも、かなり白の塗装がはみ出ていることがわかりました
ということで、とりあえず気になる箇所や基本工作の足りなさはあるものの(^^;完成です↓
2重のシェヴロンの下には、元の機体の機番がかなりすけて見えているそうです

白はかなり薄めに吹いたので、コーティングの際に少し溶けてしまったようになり、ところどころデカールの段差を拾って下地が見えてしまいました(光を強くして写真を撮ると、かなり目立つんですが実際にはそれほどでもなく・・・)